川越市といえば多くの人が「小江戸」とも称される蔵作りの町並みを連想するのではないでしょうか。江戸時代の名残を現在に伝える蔵作りの町並みは貴重な文化遺産であるだけでなく、連日多くの観光客が訪れる人気スポットとともなっています。

 

火の類焼を防ぐために作られたのが蔵作り。江戸時代の江戸の町並みに数多く見られたといわれる建築様式です。しかし、明治以降の急速な発展によって東京ではこの建築が次々と失われていきます。そんな古きよき江戸の雰囲気を川越は今でも大切に守り続けているのです。平成11年には国から「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されており、さらに平成19年には「美しい日本の歴史的風土100選」にも選定されています。この蔵作りの町並みは観光都市としての発展と、町並みの保存という重要なテーマを理想的な形で維持しているという点においても、非常に重要な価値を持っています。

 

それから「時の鐘」。これは江戸時代、川越の住民たちに時を告げるために作られたもので、最初の創建は寛永(1624〜44年)にまでさかのぼります。現在そびえている時の鐘は1893年に川越を襲った大火の翌年に再建されたものですが、江戸初期から変わらぬ時の音色を現在もなお伝え続けています。1日4回鳴らされるこの鐘は環境庁が主催した「日本の音風景100選」にも選定されています。

 

それから川越の総鎮守として古代から尊敬を集めている氷川神社。川越を代表する名物イベント、川越まつりはこの神社の神幸祭をルーツにしていると言われています。

 

このように、古きよき歴史の風情を現在に伝えてくれる魅力的な町として川越は現在も多くの人たちを魅了しているのです。

蔵づくりの街並みがつづく川越

 

川越を歩く上で欠かせないのが、蔵づくりの街並みがつづく一番街です。そこに一歩足を踏み入れると、圧倒されてしまうほどに蔵づくりの建物が続きます。長い歴史を持つこの街並みは、明治時代に起きた川越の大火にも耐え、現代に残っています。この建物の多くはとても魅力的で、ちょっとのぞくだけのはずがあっという間に時間が経っていた、なんていうこともしばしばです。この街並みに溶け込んでいる時の鐘も、そんな川越の景色をより趣あるものに変える重要な建物のひとつです。

 

そもそも蔵づくりとは、日本で古くから使われてきた建築様式のひとつで、土壁を漆喰で仕上げたものをいいます。主に倉庫や保管庫としての役割をもち、中には店舗や住居として作られたものもあります。耐火性にとても優れ、火災などで火がまわってきても、中にまで火がまわることは少なかったという記録が数多く残っています。「蔵」と単純に呼ばれることの多い、白と黒の外観をもつものと、「見世蔵」と呼ばれる土の色を生かしたものとがありますが、どちらも風情があり歴史を感じさせるものとなっています。

 

川越の蔵づくりの街並みは、小江戸と呼ばれ江戸時代の風景を今に伝えています。中には、国の重要文化財に指定されている建物もあり、歴史的にも重要な役割をもっています。さらにこの川越市の一番街周辺は重要伝統的建造物群保存地区に選定されており、川越市だけでなく、国をあげてこの風情ある街並みを守り続けているのです。